片喰は道端や田の畦などに生えるありふれた雑草だが、可憐な小さな花が咲く、片葉が三つあるので「片葉三」と名付けられたという。
噛むと酸っぱいので、スグサ、スイモグサ、などとも呼ばれ、古代にはこの葉をすりつぶして鏡を磨くのに用いたので「鏡草」ともいった。
毒虫に刺されたとき、すりつぶした汁を塗ると腫れが引く、刈っても刈っても増えてくるたくましい雑草なので、この実を財布に入れておくと、いくら使っても金が減らないという迷信から「黄金草」とも呼ばれ、俳句にも、はじけつつ花を咲かせる黄金草と詠まれている。
実をはじかせながらも新しい花を咲かせる、つまり繁殖力の強さを詠んでいるのだ。
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